アオウミガメの衛星追跡 2003

更新日:2004年8月27日

 今まで全く不明であったアオウミガメの産卵期以後の生態を明らかにするために、東京大学海洋研究所国際沿岸海洋研究センター同研究所行動生態計測分野、及び日本ウミガメ協議会小笠原海洋センターの三機関が共同で、小笠原で産卵するアオウミガメの回遊と潜水行動を、人工衛星を介した追跡システムで調べています。
 このシステムを用いた今までのウミガメ類の研究では、位置データを取ることが主な目的でした。しかし近年、英国セントアンドリュース大学海棲哺乳類研究グループにより開発された Satellite Relayed Data Logger (SRDL) を用いることで、位置だけでなく潜水深度、経験水温や遊泳速度データなども取れるようになりました。
 2003年8月10日に、2頭 (翠[みどり] と 葵[あおい]; 各々Nos. 9197と9198; 標準直甲長 905と1068 mm) にSRDLを装着し、小笠原諸島父島近辺から放流しました。本ホームページでは、回遊経路のみ公開しています。

発信器(SRDL)装着個体
発信器は,エポキシ樹脂により接着されています.発信器の電池寿命は1年ほどで,
その後自然に脱落します.ウミガメに用いられる発信器としては,もっとも小型のも
ので,動物の遊泳に与える影響は,現時点でもっとも少ないと考えられています.

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回遊経路(2003.9.19現在)
翠(No. 9197)は小笠原から3週間で無事、御前崎沖合に到着したようです.
その後、伊豆半島沖合へ向かいました。
葵(No. 9198)は出発後、母島に戻ってきてしまったため,どうなることかと
はらはらしましたが,その後,西に向かって泳ぎはじめました。最近は北西へ向かっています。

残念ながら2003年9月19日以降、2頭からの発信が途絶えてしまいました。

 本調査は、東京大学海洋研究所国際沿岸海洋研究センター(前年度所属 国立極地研究所佐藤克文を研究代表者とする平成15年度文部科学省科学研究費補助金*を用いて実施されています。*基盤研究(A)(海外学術調査)、研究課題「海洋高次捕食動物プラットフォームによる3次元海洋観測・環境動態監視システムの開発」、課題番号15255003