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日本のウミガメ保護に関する、日本ウミガメ協議会の考え方

平成17年3月11日

1 日本およびその周辺海域の位置づけ
 日本の海岸線ではアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種のウミガメが産卵する。特に、北太平洋のアカウミガメの産卵地はすべて日本に含まれる。また、アオウミガメ、タイマイの産卵地は南西諸島に存在する。2004年の産卵シーズンにはアカウミガメ4854巣、アオウミガメ1206巣、タイマイ3巣が確認されている。
 一方、近海にはアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイが多く生息しており、これら3種の生育海域としての重要性は高い。また、オサガメとヒメウミガメも年に数回の発見記録があるに過ぎない。

2 保護する対象
 以上より、日本で展開される保護活動は、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの産卵海岸とそこでの産卵個体・卵の保護およびこれら3種の生育海域の生態系の保全である。
 具体的には、関東地方から南西諸島にかけての砂浜の保全、そこでの人間活動の規制が必要である。また、生育海域の保全としては、アオウミガメが餌場とする藻場、タイマイが餌とするカイメンが生息するサンゴ礁海域の保全が重要となる。

3 具体的な保護の方向性
 アカウミガメ
 徳島県日和佐や蒲生田の過去の産卵記録と比較すると、現在のアカウミガメの生息数は1950年代の数十分の1ではないかと推定される。従って、我々の目標としては、現在の10倍にあたるシーズンに50000回の産卵巣を目標に設定したい。
 具体的には次のような活動を展開する。
(1) 産卵場となる砂浜の環境保全
(2) 産卵場におけるふ化率の向上につながる活動
(3) 混獲死の減少につながる活動

 アオウミガメ
 小笠原においては19世紀末に年間1500から2000個体が捕獲されていたという記録がある。仮にこれが来遊個体数の25%だとすると、8000個体が来遊してきていたと想定できる。内、半分の4000個体がメスとし、1シーズンの産卵は1個体あたり3回とすると、12000回の産卵があったと考えられ、それは現在の10倍である。従って、我々の当面の目標としては、現在の10倍にあたるシーズンに12000回の産卵巣を目標に設定したい。そのためには次の活動を展開する。
(1) 産卵場となる砂浜の環境保全
(2) 産卵場におけるふ化率の向上につながる活動
(3) 混獲死の減少につながる活動
(4) 餌場となる藻場の保全

 タイマイ
 産卵記録から過去との比較を行うことは出来ないが、本種の幼体・未成熟個体が南西諸島海域に多く生息することから、日本ではその餌場であるサンゴ礁海域の保全が最も重要であると考える。それに関して、次の活動を展開する。
(1) 餌場となるサンゴ礁海域の保全
(2) 混獲死の減少につながる活動
(3) 産卵場となる砂浜の環境保全

4 現在における進捗状況
 成績は5段階評価。5はほぼ完結、1は全く手が着けられていない状況。
アカウミガメ
 産卵場所の特定 4
 孵化・発生状況の把握 3
 混獲死状況の把握 2
 移動、回遊経路の特定 3
 餌場の特定 2

アオウミガメ
 産卵場所の特定 4
 孵化・発生状況の把握 2
 混獲死状況の把握 2
 移動、回遊経路の特定 2
 餌場の特定 1

タイマイ
 産卵場所の特定 3
 孵化・発生状況の把握 1
 混獲死状況の把握 2
 移動、回遊経路の特定 1
 餌場の特定 3

5 今後の活動計画
 アカウミガメ
 産卵場の保全に関して、既に卵の採取は日本においては重要な問題とは言えない。また、砂浜の花火や車両の走行も重要なレベルにあるとは考えない。最も重要な問題は、砂浜の侵食である。これを防止する手段を提案するとともに、生態学的に健全な砂浜を保全する。また、産卵場で行われる放流会も生活史を撹乱することは間違いないことから、その影響を調べていくとともに、健全で本質的な保護活動を推奨していく。産卵場以外で重要な要因は混獲死である。海岸に打ちあがる死体の数から、多くの形態の漁業で混獲死が起こっていることが想定されている。漁業者の生活も考慮した上で、我々はそれを減らす努力を行う。

 アオウミガメ
 本種は肉として、あるいは剥製材料として、利用されてきた経緯がある。しかし、それによって消費されている個体数を考えると、我が国国内においては、それらは大きな問題ではないと考える。そこで最も重要と考えるのは混獲死である。漁業者の生活も考慮した上で、我々はそれを減らす努力を行う。また、日本近海は藻場が豊富であり、彼らの餌場としての重要性は、今後増してくると考えられる。アオウミガメの餌場である藻場の保全は重要な活動と位置づける。

 タイマイ
 本種はべっ甲細工の材料として、あるいは剥製材料として、利用されてきた経緯がある。しかし、それによって消費されている個体数や現在ワシントン条約で輸入が禁止されている現状を考えると、我が国国内においても海外においても、それらは大きな問題ではないと考える。そこで最も重要と考えるのは混獲死、特に南西諸島における刺し網における混獲死である。漁業者の生活も考慮した上で、我々はそれを減らす努力を行う。また、南西諸島は豊かなサンゴ礁を保持しており、彼らの餌場としての重要性は、今後増してくると考えられる。タイマイの餌場であるサンゴ礁海域の保全は重要な活動と位置づける。



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