日本海におけるアオウミガメの行動追跡終了報告

 日本ウミガメ協議会では2007912日〜105日の23日間、三井物産環境基金の支援を受けて、日本海におけ
アオウミガメの行動追跡調査を行いました。対象個体は福井県三方上中郡若狭町世久見の定置網で混獲されたア
ウミガメ(やよい、直甲長801mm)です。以下に追跡経緯を報告します。
  9/12 11:15 福井県海浜自然センターの協力により発信機を装着した後、
       世久見沖約6kmの地点(北緯35.6° 東経135.8°)にて放流。
  9/14 16:28(初観測
   ↓   北西方向に進路を取り、沖合へ出て行く。
  9/17
   9/189/26  9日間、位置情報を含まない電波の受信が続く。
   9/27        朝鮮半島東岸(北緯36.8°東経129.4°)にて観測。
   ↓ 沿岸域を半島伝いにやや南下。
  10/5 16:15  精度の高い位置情報(北緯36.3°東経129.4°)を最後に、観測を絶つ。
 今回の調査は、アオウミガメの索餌回遊、季節による回遊域の変移を知るうえで重要な知見を与えてくれるはず
でしたが、残念ながら23日間という短い期間の追跡に留まりました。朝鮮半島沿岸を回遊していた9月下旬は水
温が下がり始める時期であり、これから南下するのか、それともこの海域に留まるのか、その動向に注目してい
ましたが、10/5、精度の高い位置情報が続いた末、突如として観測が途絶えました。精度の高い位置情報が続く
という状態は、ウミガメが砂浜に上陸して産卵する時など、発信機が長期間水中から出ている時にみられます。
今回の場合はその状況から、漁師さんの網にかかり、船上に上がったものと考えられます。だとすれば、やよい
は一ヶ月足らずの間に、広い日本海で二度の混獲に遭遇したことになります。やよいの生死については分かりま
せんが、ウミガメを取り巻く環境はこのような危険と日々隣り合わせであることを再認識する事例となりました。
また、電波の途絶えた位置から、韓国側とも直接連絡をとり、関連情報を期待しましたが、これまでそのような
情報は入っていません。国境無く泳いでいくウミガメにとって、国際的な保護の取り組みも重要な課題であるこ
とは間違いありません。
 最後になりましたが、本調査を行うにあたってご支援を頂いた三井物産環境基金様、ウミガメの情報を提供し
頂いた世久見漁協の皆様、発信機装着、放流に際してご協力して下さった福井県海浜自然センターの皆様に心
ら感謝の意を表します。