メキシコ活動報告
日本・メキシコ・ハワイの国際交流事業 (2007年8月8日~23日)
右から、須田氏、佐々木氏、Pro Peninsulaのサンティラン氏、松沢近年、メキシコのバハ・カリフォルニア半島(以下バハ)で活動 するプロペニンスラ(NGO)と共同で、日本、米国、メキシコでのウミガメ関係者の交流事業を行っています。昨年は日本ウミガメ会 議にあわせてメキシコとハワイの漁師を含む12名の関係者が来日しました。そこで今年は、日本の漁師3名と当会メンバー二人を含む 計5人でメキシコとハワイを訪問しました。バハでの最初の仕事は地元テレビへの出演でした。出演1時間前まではラジオだったはずなのに、いつの間にかテレビ出演に..........
通称 カメバス
ストランディングの集積地の一つ
シロナガスクジラの漂着死体
ロペスマティオスで捕れた最大の魚
後日、州都ラパスを離れカメバスで向かった先は、ロペスマティオスという漁業と缶詰工場で成り立つ3000人ほどの町です。この町はバハにおけるアカウミガメ保護活動の最前線でもあります。この町の沖合いには、岸と並行に40km以上もの砂州が存在します。この砂州には毎年何百頭ものウミガメの死体が漂着します。これらは漁具に絡まり、溺死した後に砂浜に打ち上がるのです。しかも、その多くは日本から来たはずのアカウミガメでした。一行はトラックで所々の死体集積地を廻り、悪臭が漂う中を一つ一つ日本で付けられたインナータグが無いかを確認しました。
壇上で挨拶する松沢
地元漁業者と膝をつきあわせてのミーティング
混獲や密漁は地域ぐるみで取り組むべき問題です。ロペスマティオスは、2003年から現在にかけて毎年、ウミガメフェスティバルを開き、町民のウミガメ保護の意識向上をはかってきました。規模は年々拡大し、今では特設ステージも作られ、ミスコンテスト、大道芸、生バンド、移動遊園地、屋台等が華を添えています。我々は、日本における産卵減少の現状と三カ国間の連携の必要性を訴え、日本から持参したアカウミガメの産卵と子ガメの映像DVDを知事に手渡してきました。
延縄の針を飲み込んだアカウミガメを捕獲した久米氏ロペスマティオスの次に訪れたサンファニコでは、地元漁師さん達の漁船に分乗してウミガメ捕獲調査を実施しました。ここでの捕獲調査は海面で休息しているウミガメを見つけると、舳先からウミガメに向かって飛び込み、慌てて潜るウミガメを素手で捕まえます。捕獲した個体は計測、標識装着して放流しました。若いアカウミガメがみな丸々と太っていたのがとても印象的でした。
西部太平洋区漁業管理評議会にてメキシコでのプログラムを終えた後、一行はハワイへ移動しました。責任ある漁業とウミガメ保護を推進している、米国西部太平洋
区漁業管理評議会を訪ねて、現地の研究者達を交えて混獲対策や地域漁業についてのワークショップを行いました。
漁船監視システムについて説明を聞く一行また、魚市場や停泊中の延縄漁船の見学をおこなったあと、ハワイ延縄漁業協会の取り組みについて説明を受けました。ハワイを基
地とする約130隻の延縄漁船には衛星発信器が装着され、政府の監視員が乗船し、禁漁区での違反操業や混獲がないかみられていると
いうことです。また、全ての漁船のウミガメの混獲数が17個体に達した段階で、年内はそれ以降の全ての延縄漁が禁止されています。
その厳格さには、国をあげたウミガメ保護に対する真剣さが伺い知れました。
取り組むべき課題について討論する一行北太平洋のアカウミガメ個体群の回復にむけて、今後、我々が草の根レベルで取り組むべき課題について討論し、プログラムが終わ
りとなりました。今回の交流事業の詳細は、来年1月に南バハ カリフォルニア州ロレト市で開催される国際ウミガメシンポジウムで報
告する予定です。
メキシコの子供達と日本・メキシコメキシコ・ハワイの漁業者との集合写真今回の交流事業をおこなったことで、メキシコでの取り組みとハワイでの取り組みが、同行していただいた日本の漁師にとっても実
感していただいたかと思います。私たちウミガメの調査員にとっても新鮮な情報が多々ありました。再認識したこととして、今後も日
本でも、ウミガメの保全と漁業が両立できるような活動を目指していきたいと思います。
写真提供 久米満晴