高知県四万十市で行われた子ガメの放流会について

 2017年8月16日の毎日新聞にウミガメ協議会の会員が子ガメの放流会を行ったという記事が掲載されました。そのことについて多くの方からご質問、ご意見をいただきましたので、ここに当会の見解を掲載いたします。

 日本ウミガメ協議会は、ウミガメの卵を移植したり子ガメを人の手を経て不自然に放流したりすることが、保護の観点からは逆効果になりかねないとする「国際自然保護連合 種の保存員会Marine Turtle Specialist Group」の懸念を共有しており、それを国内の関係者に広く周知する努力をしています。
(Eckert, K. L., Bjorndal, K. A., Abreu-Grobois, F. A. and Donnelly, M. (Eds.) 1999. Research and Management Techniques for the Conservation of Sea Turtles. IUCN/SSC Marine Turtle Specialist Group Publication No. 4. Washington, DC: 235 pp.の第5章「 Reducing Threats」をご参照ください。)
 その一方で、砂浜や巣によっては、移植しなければ確実に水没して全滅する場所があることも認識しています。今回記事に掲載されていた高知県四万十市の平野海岸はその典型です。そのようなところでは、全滅するくらいなら移植をするのもいたしかたないという考え方があることも理解しております。
 移植をした場合、なるべく自然環境に近い方法でウミガメの孵化・脱出を見守るべきと考えていますが、現状では人の手をへて放流せざるを得ないケースがあることも確かです。その場合、影響を最小限にするように配慮しながら、放流会を通して子供たちへの環境教育の機会にすることもあり得ると考えています。(亀崎直樹・黒柳賢治 2000 ウミガメを教材として使う教育活動とその際の注意事項. うみがめニュ−スレタ−,44: 7-10. をご参照ください。)
 しかし、これらの行為はあくまでも教育活動であり、保護活動ではないことを確認しておきます。協議会の「やめよう子ガメの放流会」という考えは、不必要な移植、お金儲けのためで保護のためにはなっていない放流会のための移植を、やめるべきだというものです。
 最後に、記事に掲載されていた四万十市の溝渕さんは、長年広い浜を数人でウミガメ上陸産卵調査をしているカメ仙人のお1人です。今回の移植・放流会も県や協議会に相談しながら、子供たちへの教育を前提として行っています。放流会をしたのは多くの浜のうち、1か所1回のみで、子供たちへ事前学習をした上での放流会であったとのことでした。
 今回、ウミガメの放流会について多くのご意見をいただきました。皆さまがウミガメについて親身に考えてくださったことを大変嬉しく思っています。今後も協議会として移植や放流会について様々な助言をさせていただきたく存じます。

日本ウミガメ協議会事務局一同 


6月9日 平成29年度和歌山県みなべ町千里浜調査を開始しました!

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 6月9日より和歌山県みなべ町千里浜において、当会調査員とボランティアによるアカウミガメの上陸産卵状況調査を開始しました!千里浜は1981年からアカウミガメの調査が続けられている日本有数の産卵地です。毎年産卵シーズンになると千里浜の近くにある千里観音というお寺に常駐させていただき、毎晩20時半から4時ごろまで砂浜のパトロールを行い、ウミガメが上陸産卵した際には、体サイズの測定や標識の装着を行っています。
昨年は122回の産卵があった千里浜。今年は5月22日から上陸・産卵が確認されています。今年は昨年を超える回数を期待したいと思います。(松宮)

5月27日 徳島アカウミガメ上陸産卵調査講習会を開催しました。

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 今年もウミガメシーズンに入り、徳島県では今月26日に県内初上陸が確認されました。5月27日には、今年で19年目となる徳島アカウミガメ上陸・産卵調査講習会を阿南市の蒲生田にて開催し、24名の方にご参加いただきました。今回は、昨年蒲生田海岸での上陸産卵回数がゼロ回だったことをうけ、皆様と一緒に砂浜を見て徳島県内のウミガメ上陸・産卵について考えたいと思い、蒲生田小学校で開催いたしました。講習会では当会会長の松沢が、映像を見ながらウミガメの産卵行動についてや、徳島県におけるアカウミガメの上陸産卵状況の特徴についての講演を行い、その後の砂浜観察では、参加者の皆様と一緒に蒲生田海岸の観察を行いました。私も少しだけ砂浜を掘ってみましたが、産卵に適した砂があり、上陸すれば産卵できるように思いました。
 今回は日中の講習会だけでなく、昨年の講習会で日和佐ウミガメ博物館カレッタの田中学芸員からの講演にあった蒲生田海岸への光漏れを確認するため、日没後に砂浜と周辺環境の観察を行いました。砂浜からは街灯の光が確認でき、この光がウミガメの上陸に影響を与えている可能性も考えられました。昨年の上陸産卵回数と光は何らかの関係があると推測されますが、それでも今年、蒲生田からのウミガメ産卵の一報を期待したいと思います。(松宮)

1月28日 和歌山県みなべ町でのウミガメ保護意見交換会に出席しました。

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 1月28日に和歌山県みなべ町の生涯学習センターで、今後のウミガメ保護活動についての意見交換会が開催されました。みなべ町にある千里の浜では、毎年産卵シーズンに、みなべウミガメ研究班や青年クラブと一緒にウミガメの上陸産卵調査を行っています。今回の意見交換会には、前記の団体以外にも、県や町の担当者、観光関係者などが集まり、地元でのウミガメの保護や調査活動の紹介、今後の課題の話し合いを行いました。(松宮)

1月10日 元小学校への寄付金目録贈呈式を行いました。

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 1月10日に高知県室戸市の室戸世界ジオパークセンターで第27回日本ウミガメ会議室戸大会の最後の実行委員会を行いました。ご参加いただいた皆様、会議の運営にご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。今回の実行委員会の中で、ウミガメ会議での販売売上の一部を室戸市立元小学校に寄付しました。贈呈式では、室戸市長の小松幹侍様から元小学校校長の吉良和夫様に寄付金の目録が贈呈されました。元小学校は昭和40年から、命の教育、自然環境保護の一つとして、地域と学校が一緒となりウミガメの保護活動を行っています。また、毎年室戸基地の職員がウミガメ出前授業を行っています。(松宮)

1月1日 あけましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 昨年は、旧来の事業を継続しながら、長期的展望に立ったうえで必要な見直し、新たな事業の準備、事務局の立て直し、そしてアカウミガメ産卵生態の謎解きにも汗を流した一年でありました。難儀はありましたが、皆様の温かいご支援ご協力によりそれぞれ目
途が立ち、無事、新年を迎えることができました。事務局職員一同、厚く御礼申し上げます。今年も明朗快活をモットーに、ウミガメと取り巻く自然環境の健全な未来に向けて、皆様から信頼され必要とされる組織運営に努めて参ります。引き続きご支援ご厚情を賜りたくお願い申し上げるとともに、丁酉の年が、ウミガメと関係者の皆様方にとって良い年となりますことをお祈り申し上げます。

日本ウミガメ協議会会長 松沢慶将