ウミガメについて知りたい

ウミガメの教科書(初級編)

保護という言葉は

ウミガメの保護というのは具体性のない言葉です。何が彼らの保護につながるのか良く分からないからです。例えば、かつて日本各地で子ガメの放流会が行われていました。しかし、本来生まれたばかりの子ガメは夜に海に帰るのです。孵化後時間をおいて元気のなくなった子ガメを昼間放して、それが保護でしょうか?また、発展途上国では、今でもウミガメの肉や卵を食料として用いている人達がいます。
彼らに食べるなと言い批判することは簡単ですが、それではとても保護にはつながりません。なぜなら、彼らにとって「ウミガメの肉や卵を食べる」ということは、昔からの生活の一部であり、それを、先進国の人間どうしで「ウミガメやその卵を採ってはならない」と条約を結んだところで、彼らにとってはまったくカヤの外の話なのです。彼らの生活は何も変わることはないでしょうし、ウミガメは、依然として捕獲されるでしょう。

ウミガメは守っても、ウミガメと共に生きてきた人々の生活が守られていなければ、保護とはいえないのではないでしょうか。人とウミガメが共存していくことのできる、最善の方法がわかるまで、ウミガメの場合、まだまだ保護という言葉を安易に口にすることは出来ないと考えています。

ウミガメの保護は難しいと言いました。 しかし、地域に眼を移すとそれは少し異なってきます。地域というミクロの眼でみると、
・ある場所では移入されたイタチによって卵が食べられてしまう
・産卵場の近くの定置網で多くのカメが死んでしまう
・砂浜から砂が減り産卵できなくなってしまう・・・
など、より具体的な問題が生じています。こういった具体的な問題の場合、対策を立てることで、問題の解消もしくは軽減が図れるでしょう。私達はそのような事例に対しては、現段階で最良の対策を提言したいと考えていますし、その能力を獲得するために精進したいと考えています。